木村花さんの悲劇から、私たちが本当に学ばなければいけないこと

2020.06.02

木村花さんの悲劇から、私たちが本当に学ばなければいけないこと

木村花さんの悲劇から、何を学ぶべきなのか。



わずか22年の人生に終止符を打った木村花さん。

出演した恋愛リアリティー番組「テラスハウス」で、共演者への態度が視聴者の反感を買い、2カ月近くもSNSで罵詈雑言を浴びていました。

木村さんが亡くなってから一週間、22日に投稿されたインスタグラムの写真には、飼い猫の写真に「愛している。楽しく長生きしてね。ごめんね」とコメントした後、23日未明に自傷した写真と共に「もう人間なんかやりたくない」、「愛されたかった人生でした」、「みんなありがとう、大好きだよ」、「ばいばい」とツイートしており、心配する声が上がっていました。現在これらのツイートは削除されています。

死因は公表されていないものの、一部のメディアでは自殺とみて調べていると報道されています。

激化する誹謗中傷

SNSが急激に一般化したことにより、誰でも発信が手軽に出来るようになった今日、誹謗中傷について問題になることが日々増える一方です。

また、タレントがSNSを使うことによって今までのテレビに出演し茶の間の声があまり届かない状況から双方向でコメントをタレントが受けることになる環境が、特にメンタルに降りかかるようになってきています。

SNSを中心とした誹謗中傷に対して過敏になることは、昨今芸能的なリテラシー能力の一つとなってきています。YouTubeやツイッターなどで情報発信を加速させる芸能人が増えた半面、視聴者の声が強くなるあまり、ネットへの情報発信にナイーブになり過ぎている芸能人も非常に多く、またそれが従来の著名人たちの「マスコミ対策」とはまったく別のものとなっています。

かつて芸能ニュースやワイドショーなどで何か芸能人絡みの事件が起きれば、連日騒ぎ立てられ、攻撃をされるというものだったがこれも所詮はビジネスの一環で行われいるモノに過ぎず、実際はSNS上で“本物の視聴者達”が損得ではなく感情のみでオブラートに包むことなく直接的な言葉で攻撃的な誹謗中傷を行う性質がある上に共感が増幅し、例え事実ではないことが広がったとしても反論しようものなら火に油を注ぐ結果となり、また責任の所在もはっきりしないことから激化していく傾向にあります。

また、それは芸能のみならずスポーツの世界にも波及し、さまざまなアスリートが競技の垣根を越えて、木村さんの死去に反応したと見られる投稿をアップしています。

フィギュアスケートの本田真凜さんは、23日に自身のインスタグラムにその心境を語っています。

「気にしたらダメだと、スルーしようと心掛けても、沢山の嬉しいお言葉より、1つの誹謗中傷の方が圧倒的に力が強い。そう思います。。」

スキージャンプの高梨沙羅さん(クラレ)も、自身のインスタグラムを更新し、250文字を超える長文で今回の件に言及しました。

「言葉は人を癒やし、時にナイフのように人を傷つけてしまう。受け取る側によって感じ方も大小変わってしまう。だからこそ言葉を発する前に一瞬でも相手のことや、先のことを考えなくてはならないんじゃないかな。でも、実際その余裕がないことが多いんですよね。会話をしてる時は少しでも相手に思いやりを持って話せたら素敵だなって思います。心に余裕がない時は他にストレスをぶつけがちだけどその時間やエネルギーがあるなら自分を磨く為に、頑張る自分を愛する為に使ってほしいです。時間の使い方は個人の自由だけど、限りのある時間は大切に人を傷つける為じゃなく自分の為に。大切な誰かのために」

悲劇を繰り返さない為に出来ること

現実的に今後私たちは出来ることはあるのでしょうか。一人一人が誹謗中傷に対してその攻撃性を理解することが必要なのはもちろんですが、心がけだけで誹謗中傷がなくなるわけではありません。実際に木村さんの死後他の芸能ニュースで誹謗中傷がなくなったのかといえば、決してなくなるわけではありません。

仕組みとしてエンタテインメントに関わるメディアや芸能事務所などでも対策が今後必須とされています。

「テラスハウス」を含む近年のリアリティーショーはSNSと連動した演出を取り入れる事が多くなり、それ自体が誹謗中傷を生む環境に繋がっているという声も多くあがっています。

今後番組の演出方法やコンプライアンスチェックをより一層高め番組の制作体制自体を改善させなければリアリティーショーのような形態の番組は存続が難しくなってきています。

また、番組のみならずタレントをケアする立場にある芸能事務所も時代に合わせた変化を必要としています。

一部報道では木村花さんは芸能活動を行う事務所と契約解消を申し出ていましたが、事務所側がそれを拒んでいたとの報道がありました。

5月27日に同事務所は「ご本人のお申し出により、本年3月末日をもって、弊社との間の契約を合意により解消しております」との発表をしていましたが、本来芸能活動のフォローをすることが事務所のメリットではあるものの、花さんが亡くなるまで公式ホームページに木村さんを所属タレントとして掲載していたことが判っているところから、『関係はよくなかったのでは?』という声も上がっています。

SNSからの攻撃がダイレクトに入ってくる中、各芸能活動はタレントのフォローや法務的な措置を今後速やかに行えるのかどうかがこういった誹謗中傷対策として構造として必須の時代になってきています。